広島大学 保健管理センター

「何をどのくらい食べたらいいの?」

人間社会科学研究科 冨永美穂子

みなさん,こんにちは.新年度が始まりますが,授業がない春休み中に生活のリズムや食事内容が適当になっていませんか?
4月からは心機一転,バランスのとれた食事を心がけよう!と誓った人もいるかもしれません.何をどれくらい食べればよいのか,多様な食品があふれる中で考えるのは本当に難しいですね.私自身は本学で調理科学分野を担当し,中・高等学校の家庭科教員免許を取得する学生のみなさんを主対象に週1で調理実習も行っています.高等学校時代までにそれほど調理経験のない学生のみなさんが毎週調理実習を繰り返すことにより,レパートリーが増え,自分自身はもちろん誰かの笑顔のために調理する幸せを感じてほしいと思い,調理実習にエネルギーを注いでいます.

さて,何をどれくらい食べればよいかについて,話を戻しましょう.我が国においては,「日本人の食事摂取基準」として,国民の健康の保持・増進を図る上で望ましいと考えられる基準が策定されています.厚生労働大臣が定め,5年毎に改訂が行われ,2020年版が最新です(厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html).これをみると,どのような栄養素をどの程度とればよいのかがその考え方と共に説明されています.しかしながら,さまざまな栄養素とその量だけみてもわかりにくいですよね.それをわかりやすくしたもののひとつが食事バランスガイド(農林水産省ホームページ:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/about/index.html)です.聞いたことがある人もいるかもしれません.みなさん自身の「食とからだ」を簡単にチェックできるページもあり(農林水産省ホームページ:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/index.html),世代・ライフスタイル別トピックスをみると問題点が挙げられ,バランスよく食べる食事例なども示されています.

担当する授業においても食事バランスガイドを利用して,食事について振り返る機会をつくり,普段の食事の過不足について考えてもらっています.みなさんもチャレンジされるとわかると思いますが,このバランスガイドも自分が食べているものに近い料理を探すのが結構難しかったりします.ですが,学生のみなさんに過不足を尋ねると「果物や牛乳・乳製品が不足している」,「おかずを食べ過ぎている」,「どれも足りない」などの自己分析結果が例年寄せられます.それでまずはよしとしましょう.自分の現状を客観的に把握することが大事です.もちろん,食が専門の私自身も毎日バランスのとれた食事をすべきと考えるとそれがストレスとなってしまうので,1週間程度のスパンで捉えるようにしています.気持ちが改まる新年度,いつもの食事を振り返り,ちょっと変えてみませんか?